【長期保有】【連続増配】【高利回り】この3つが主軸の投資
通信株は【高配当】【連続増配】【高利回り】であり、配当目的の株式投資を始めるにあたりポートフォリオの一角に入れたい銘柄でもあります。
世界的な景気低迷時にも上記3点の主軸が失われにくく、株価の上昇より安定配当に重視した銘柄となります。
AT&Tとベライゾンは大手通信キャリア2社で、業績比較をした上で長期的にどちらの銘柄が好ましいのか分析してみます。
売上高の推移
AT&Tはワーナー買収効果により年々向上しています。
対するベライゾンは米ヤフーのネット事業を買収しましたが、売り上げは上がらず一定の水準をキープしている感じです。
営業利益率と純利益の推移
ベライゾンは売上高でAT&Tに劣るものの、営業利益率の高さから純利益ではAT&Tを超える水準となっています。
両社とも高い営業利益率となっていますが、ベライゾンに関しては更に効率のより経営体質と言えます。
そのため、ベライゾンの方が安定した純利益確保が出来ていると感じます。
EPS、配当金配当性向の推移
過去10年間の比較になります。
2014年までは両社ともタコ足配当となる年がありましたが、それ以降は格段に減っています。
ベライゾンに関してはタコ足配当無しで配当性向も60%台と配当金余力が十分あります。対するAT&Tは安定感に欠け配当性向も90%台を付ける年も多々あり将来的に連続増配が止まる不安要素がありそうです。
5月20日付けの数値は上記の通りで、AT&Tの方が魅力的ですが、過去の業績推移を確認するとベライゾンの方が安定的であります。
そのためか、同業ではあるものの、配当利回りは大きく異なっています。
リスクのAT&Tと安定感のベライゾンといった感じです。
増配率の推移
AT&Tは2%前後の増配率で年間0.04ドルが定着しています。
そのため、今後の増配率は徐々に低下することが予想されます。
ベライゾンは2.5%~3%の増配率でAT&Tより少しだけ良いといった感じです。
ベライゾンより3%高配当で決められて増配額が続くのであればAT&Tに魅力を感じますね。
発行株式数の推移
両社とも自社株買いによる株主還元は行っておらず、むしろ発行株式数を増やして資金確保の流れになっています。
CFの推移
両社ともCFは似たような水準となっています。
毎年莫大な投資が必要な事業ですが、フリーCFもしっかり確保しており、依然稼ぐ力はあり、衰える感じはありません。
参入障壁が高く独占的な市場であから莫大な利益を生み出せており、今後もこの流れが継続するでしょう。
負債額の推移
AT&Tはワーナー買収のため莫大な負債を抱えています。ピークで約20兆円程。
返済は行われていますが、それでも高水準の負債を抱えているためベライゾンに比べ保有リスクが高いです。それが配当利回りにも反映されています。
ただ、両社とも稼ぐ力はあるため、現状の返済水準を確保できていれば、さほど問題ないように思います。
まとめ
【高配当】【連続増配】【高利回り】の観点からどちらを保有するのであれば、
ベライゾンとなります。チャートを見ても株価の安定感が違います。
・負債が多く発行株式数が増加、配当性向に安定感が欠けるAT&T
・高い営業利益率、安定した配当性向のベライゾン
・増配率は両社とも大きな差は無い
ただし、両社とも稼ぐ力は依然強く、配当金による株主還元は積極的であるためポートフォリオのバランスを見ながら両社とも取り入れたい銘柄です。