配当増配歴64年を誇る日本では信じられないほどの記録を持つアメリカン・ステイツ・ウォーター。
同社はカリフォルニア州で水の生産、供給を行っている公益事業会社です。
他にも電気事業の送電、契約業務も行っており、水道事業と合わせた3つのセグメントから成り立っています。
日本でも水道局の民営化が話題となっており、近い将来日本でも水道事業の株式会社が誕生する可能性があるためアメリカが超先行している事業業績を確認してみます。
【基本データ】
アメリカン・ステイツ・ウォーター【AWR】
株価 90.56ドル 2019年8月28日付け
PER 52倍
PBR 5.96倍
自己資本比率 37.18%
EPS 1.73ドル
配当金 1.22ドル
配当利回り 1.34%
売上高推移
公共事業ということもあり売上は安定しています。ただ営業利益率が年々向上しており25%付近で推移しており、高い経営能力が伺えます。
リーマンショック時でも業績にさほど影響が無く、更に人口増加が見込めるアメリカでこの業績が推移することが予想されます。
インフラ事業と言えば大きなリスクを伴うこともあります。水道事業は経年劣化や天災等により水道管破損により水の供給が出来なくなるリスクがありますが、同社はこれまでに大きな事故が無いくリスク管理にも徹底しているところもこの業績推移と長年の株主還元に大きく貢献しています。
キャッシュフロー推移
水道事業に関わらず公共事業は莫大な設備投資を必要としています。
アメリカン・ステイツ・ウォーターも同様で毎年莫大な資金を設備投資に充てており、フリーCFがマイナスとなる年もあります。その際は資金の借り入れをし配当金に回しておりますが、安定した収益が見込めるからこその出来るビジネスモデルとなっています。
また、他社の参入障壁が高く独占的なビジネスなので収益性が高く、人口増加が見込めるアメリカでは更なる業績向上することが予想されます。
EPS、配当金、配当性向
データを見る限り今後の増配も問題ないでしょう。ここ3年平均で6.6%の増配率でありここ10年で配当金も2倍となっています。
配当利回りは1.32%で税引後は0.96%程になり利回りとしては物足り無いところですが、キャピタルゲインとインカムゲインを同時に得られ銘柄となっています。
チャートを見ると一目瞭然となっています。
チャートで確認する
トータルリターンはS&P500を遥かに上回るパフォーマンスとなっています。
チャートを見ると目立った調整局面でも大きく下げることなく勢いよく上昇しています。ただ、2018年、2019年の上昇はちょっと異常なレベルとなっており、個人的にはジェットコースターの天辺に株価があるような感じがしています。
過去のチャートの動きを見ても大きな下落局面が無く今後株価がどのよう推移していくか楽しみでもありますが、基本どこで株を購入してもリターンを得る事が可能のような気がします。
何十年も株を保有することを考えると高配当銘柄+このような銘柄もポートフォリオに入れたいと考えています。VTIでいいじゃんと思われますが、個別銘柄が好きであり、投資を楽しむという観点からETFは基本的に投資対象となっていないのが現状です。