ゼネラルエレクトリック【GE】とは、航空機エンジン、医療機器、発電タービン、石油、ガス、家電製品、金融業などありとあらゆる分野でビジネスを行っているアメリカの複合企業になります。日本では日立が同じようなビジネスを行っていますね。
2018年には業績不振により時価総額減少、それに伴いダウ構成銘柄から除外され赤字業績が続き、配当も年0.04ドルにまで減配され保有していた株主は相当な金銭ダメージを被っていると思います。
そんな中、ラリー・カルプCEOが個人で300万ドルのGE株取得をしていたことが判明し話題となっています。
CEOが追加で株を取得するという事は将来的に業績が好転するという期待があり、そのような思惑から前日比で株も3%程上昇しています。
では実際は買い時なのでしょうか、事業内容は複雑すぎて分からない部分はありますが業績だけは真実ですのでそこを見ていきます。
売上高推移
売上高自体は減少はしているものの、結構安定しており現在もピーク時から大きくは落としていないことが分かります。2014年が業績のピークとなっており、高い営業利益率を誇っており35%~40%となっていました。
それが一転2015年以降は営業利益が3分の1程に減少しており、この年以降から経営に陰りが見えてきたのがわかります。この年で同社株を手放せていれば、ダメージを最小限に留めることができたんでしょうが、実際、自分が同じ立場なら出来ないと思います。
まずは黒字化が確認されなければ株の購入は出来ないと考えます。
キャッシュフロー推移
稼ぐ力が無く、投資にも回すお金が無くそれでも最低限の投資は必要であるのがわかりますが、ジリ貧状態の経営ですね。それよりもフリーCFはピーク時から年々減少しており、いずれは現在と同じような状況になっていたと思ってしまう数値となっています。
EPS、配当金、配当性向
業績低下と反比例し配当は高水準で2017年まで出されており、投資家が損切り出来なかった原因がこの辺にありそうです。
配当性向も2015年~2017年にかけて100%を超えており、業績の超低迷を考えるとかなりの危険水域だったことがわかります。
GE株から学ぶ事は好業績の裏付けがない高配当株は将来的減配、無配に陥る危険を大いに秘めているということが痛い程理解できたということです。
正直、まだまだGE株を保有するには業績的に怖い段階を脱していない状態だと言えるでしょう。数年後に今の時点が最高の買い場だったなんてことはよくありますが、数値で見ると正直買えないのが現状の判断です。
アメリカ株の魅力は高い収益性と株主還元に積極的なところであり、長い増配年数の企業がたくさん存在していますが、業績が悪化していけば当然の如く、減配、無配になることも頭の中に入れておき、業績の確認は怠る事の無いよう、また時には損切りもする必要があるということです。
ただ、日本株よりアメリカ株の方が精神的に安心して保有できることは事実だと思います。