中国移動通信(チャイナモバイル)は中華人民共和国の通信事業者であり携帯電話の契約者数が9億7000万人と世界最大の通信事業会社です。
売上高推移
2018年の売上が7368億元、営業利益が1274億元、純利益が1177億元で営業利益率が17.3%となっています。
2009年以降売上高は右肩上がりとなっていますが、他社との競合もあり営業利益率は低下しており、純利益の水準はさほど変化していないのがよくわかります。逆に言えば毎年一定の水準の利益を確保できているので長期投資の対象としては悪くはない言えるでしょう。
キャッシュフロー推移
2014年頃から設備投資が増えており年々増加傾向が分かります。これは5Gに向けて莫大な投資が必要な点と数年掛かりで設備投資が必要な為、他社の容易な参入が出来ないことも意味しています。
キャッシュフローは非常に安定しておりますが、設備投資が今後どのくらいの規模まで拡大するか、ここが注目点でもあります。近年高止まりの傾向ではありますが。これ以上の投資額となると株主還元に回すお金が減少するので今後の動向が楽しみです。
EPS、配当金、配当性向
配当金はドルでの受取になるため、現在の人民元安は将来的に受取配当額が減少するので、そこは若干の不安要素ではありますが、概ね配当金は増加傾向にあります。
配当性向も40%台と十分に余力があり、今後も現在の水準レベルの配当額は保つだろうと思います。
10年チャート
なぜ中国株のチャイナモバイルを業績分析したかというと、10年チャートが底値圏にあるため、少し気になっていました。
株価は2016年から右肩下がりを続けており、現在は40ドルを切りそうな所まで値下がりしていますので、この最安値付近で少し購入してみるのも面白そうです。
通信事業は莫大な設備投資が掛かる反面、他社の新規参入が難しく独占的な事業であるため、安定的な収益を上げることができるので安定した株主還元を行える要因になるため長期投資目的としては良い銘柄だと思います。
現在の配当利回り4.88%と狙うは30ドル台での購入がベスト。
米国との貿易関税戦争の影響もあり中国経済は低迷を続けており、人民元も通貨安とこれが最大の不安要素といったところで、株価は最安値更新しそうな感じではあります。