高配当株の代名詞といてば石油株。メジャーな石油株3社、【エクソンモービル】【BP】【ロイヤルダッチシェル】の業績を比較し長期で保有できるのかを分析してみます。
売上推移
【エクソンモービル(XOM)】
【BP(BP)】
【ロイヤルダッチシェル(RDS)】
2009年から2019年の間の売上推移を見て、まずエクソンモービルは一度も赤字転落しておらず、石油最安値の26.55ドルを付けた2016年でも黒字確保は大したものです。
BPは2010年、2015年、2016年と赤字転落しており純利益でも2010年、2015年で赤字転落となっています。2010年にはメキシコで大規模石油漏洩事故を起こしており数百億ドルの賠償金を支払っています。
ロイヤルダッチシェルは2015年に営業利益で赤字転落しておりますが、純利益は全ての年で黒字を確保しています。売上は3社の中で一番多く、営業利益率も近年は8%を超えています。
2016年に原油価格最安値を付けて各社2016年を底に徐々に業績回復をしています。ただ、2011年頃の石油価格全盛期の売上を超えることはできず、石油価格次第で売上に大きな影響をもたらしている業界だとわかります。
キャッシュフロー推移
【エクソンモービル(XOM)】
【BP(BP)】
【ロイヤルダッチシェル(RDS)】
設備投資に毎年莫大なお金が掛かるのが石油業界の特徴です。また、近年では再生可能エネルギーにも投資を積極的に行っており石油以外からの収益源の確保を目指しています。
エクソンモービルはフリーCFを毎年創出しており、優秀な経営が伺えます。
一番不安定なのはBPでフリーCFが10年で4回マイナスになっているのが気になります。稼ぎの割に投資額が多く、今後の収益拡大に繋がることに期待したいです。
ロイヤルダッチシェルは2016年にフリーCFがマイナスとなっていますが、それ以降は非常に優れた数値を叩き出しており、3社の中で一番成長性を感じます。
EPS、配当金、配当性向
【エクソンモービル(XOM)】
【BP(BP)】
【ロイヤルダッチシェル(RDS)】
3社とも株主還元に非常に積極的であり業績悪化時でも一定の水準の配当を出し続けています。エクソンモービルは36年増配記録を持っており、配当性向も80%とまだまだ増配余地はあり増配記録を伸ばしてくれるだろうと思います。
BPは2010年のメキシコ石油漏洩事故の影響で減配をしています。それ以降は同水準に戻っていますが、業績次第で今後も減配の可能性があるということに注意が必要です。
ロイヤルダッチシェルは増配記録はありませんが、業績が悪かろうが一定の配当金を出し続けており、2015年に至っては低業績にも関わらず減配をしていないとこが株主還元に積極的なところが見受けられます。
まとめ
安定的な業績で増配記録36年を持ち長期で保有するとなれば【エクソンモービル】が一番だと言えるでしょう。
【BP】【ロイヤルダッチシェル】は外国源泉徴収税10%が掛からず税率的に有利であるのが魅力であり、リスクが高い分高配当であります。
【エクソンモービル】は配当利回り5%越え、【BP】は7%越え、【ロイヤルダッチシェル】は6.5%越え辺りで拾いたいところです。
3社とも株主還元に非常に積極的であり、多少の業績不振に陥っても配当金維持する程の会社であることに間違いはありません。